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パニック障害とは

パニック障害とは、普段の生活中に突如としてパニック発作を引き起こしてしまう精神的な疾患のことです。突然心臓が激しく脈打ったり、目眩がしたり、息苦しさを感じたり、手足が震えるといった症状が現れます。
このような症状は生活に大きな影響を与えることが多く、発作が予告なしに訪れるため、自分自身で制御するのが非常に難しいとされています。そのため、外出を避けるようになる人も少なくありません。この疾患はおよそ100人に1〜2人が経験するといわれています。
パニック障害は日常生活を送るのに多大な影響を与えるため早期の治療が必要です。パニック発作を疑った場合は早めに当院までご相談ください。

精神科医・産業医
三重大学医学部卒業後、桑名市総合医療センターで初期研修を修了。 その後、南勢病院精神科での勤務、かわいクリニック/新宿よりそいメンタルクリニックでの診療を経て独立。 日本精神神経学会に所属し、日本医師会認定産業医としても活動。
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パニック障害を発症する原因

パニック障害は、心理的、遺伝的、環境的要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。一つの原因ではなく、これらの要因が相互に影響を及ぼすことで、症状が現れることが多いため注意が必要です。それぞれの原因の詳細は以下の通りです。
心理的要因
心理的要因としては、過度のストレスや不安が挙げられます。仕事や家庭でのプレッシャーが大きい場合、それが積み重なることで身体的にも精神的にも負荷がかかり、やがてパニック障害を引き起こすことがあります。
また、強い自己否定感や不安感が長期間続くと、それが引き金となることもあります。特に完璧主義の傾向が強い人は、自分に課すハードルが高く、その結果として心理的に圧迫されやすくなります。
遺伝的要因
遺伝的要因も、パニック障害の発症に関連しているとされています。家族にパニック障害や他の不安障害を持つ人がいる場合、発症のリスクが高まる可能性があります。
これは、遺伝によって特定の神経伝達物質のバランスやストレスに対する反応が影響を受けるからです。遺伝的な要因がすべてではありませんが、家族にパニック障害の方がいる場合は注意深く観察する必要があります。
環境的要因
環境的要因としては、幼少期の家庭環境や学校での経験が影響を及ぼすことがあります。不安定な家庭環境やいじめ、虐待などを経験した人は、後にパニック障害を発症するリスクが高まることがあります。
また、急激なライフスタイルの変化や喪失、病気などといった生活上の大きなストレスも、発症を誘発する要因となり得ます。こうした環境要因が精神的な健康にどのように影響するかを理解することが重要です。
パニック障害の3つの症状

パニック障害とは、「パニック発作」「広場恐怖」「予期不安」の3つの症状が現れる精神的な疾患です。これらの症状にはそれぞれ独自の特徴があります。
パニック発作
パニック発作とは突然、心臓が激しく鼓動したり、身体が動かなくなるほどの震えや息苦しさに襲われ、不安感が急速に増す症状のことです。このような発作は一般的に短時間であることが多く、5分から30分ほどで収まることがほとんどです。
予期不安
予期不安とは、繰り返しパニック発作を経験してきた人々が、再び発作が起こるのではないかという強い恐れを感じる状態を指します。治療によって実際の発作が減少しても、この不安感は依然として心の中に残り続けることがあります。
広場恐怖
広場恐怖症とは、多くの人々が集まる場所でパニック発作が発生することへの不安や、それを他人に見られる恐怖感から、人混みを避けたり、1人で外出することが難しくなります。この恐怖感は人前に出ることを躊躇させるため、日常生活においてさまざまな支障を生じさせる可能性があります。
パニック障害の治療方法

パニック障害の治療方法には「薬物療法」と「認知・行動療法」が用いられるのが一般的です。それぞれの治療法の特徴は以下の通りです。
薬物療法
薬物療法はパニック障害の治療において広く用いられており、症状の軽減と再発予防に効果が期待できます。主に選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)やベンゾジアゼピンなどの薬が使用されます。
SSRIは長期的な治療に適しており、パニック発作の頻度を減少させます。
一方、ベンゾジアゼピンは速やかな効果が期待できるため、急を要する状況での短期間の使用が適しています。治療開始後は医師と相談しながら適切な投与量を決定し、定期的に効果を評価することが重要です。
認知・行動療法
認知・行動療法(CBT)は、パニック障害の心理的治療法として高い効果が期待できます。患者が恐怖や不安を引き起こす思考パターンを特定し、それを変えるためのスキルを学ぶことを目的としています。
例えば、呼吸法やリラクゼーション技術を用いて発作時の身体的反応を管理したり、徐々に不安を引き起こす状況に慣れるエクスポージャー療法を行ったりします。これにより、患者は発作に対する恐怖を減少させ、日常生活における不安をコントロールする能力を向上させることができます。
柏よりそいメンタルクリニックにおけるパニック障害への対応

パニック障害では、突然の動悸や息苦しさ、めまいなどが現れ、「このまま倒れるのではないか」という強い恐怖を感じることがあります。
診察では発作時の症状だけでなく、発作への不安や避けるようになった場所を確認し、生活への影響に合わせて治療方針を考えます。
発作が起きた場面と身体に現れた変化をたどります
初診では、動悸、息苦しさ、発汗、手足の震え、めまい、吐き気など、発作時に現れる症状を確認します。
発作が始まった場所や時間帯、症状が強くなるまでの経過、落ち着くまでにかかった時間についても伺います。
内科や救急外来を受診した経験、身体の検査結果、現在服用している薬がある場合は診察時にお伝えください。
身体疾患や薬の影響なども考慮しながら、これまでの経過を整理してパニック障害の可能性を判断します。
発作への先回りした不安と回避行動を確認します
パニック発作を経験すると、「また同じ症状が起こるかもしれない」という予期不安が続くことがあります。
電車やバス、人混み、会議室、美容院など、すぐに離れにくい場所を避けるようになっていないかも確認します。
家族の付き添いがなければ外出できないなど、発作への恐怖によって生活範囲が狭くなる場合も少なくありません。
避けている場面や生活上の支障を把握し、患者様が困っていることから治療の目標を定めていきます。
発作に対する恐怖を和らげ生活範囲の回復を目指します
治療では、発作の頻度や予期不安の程度に応じて、薬物療法や心理的なアプローチを検討します。
薬物療法では、不安や発作を和らげる目的で、選択的セロトニン再取り込み阻害薬などを使用する場合があります。
発作時に現れる身体反応の捉え方を整理し、避けていた場面へ無理のない範囲で段階的に慣れていく方法もあります。
発作が減った後も予期不安が残ることがあるため、生活への影響を確認しながら治療を続けることが大切です。
突然の動悸や息苦しさで受診を考えている方へ

当院では、突然の発作を繰り返している方や、再発への不安によって外出や通勤が難しくなった方の相談を受け付けています。
初回診察にかかる時間、予約から受診までの流れ、通院間隔、診断書の発行について紹介します。
初回の30〜45分で発作の経過と生活への影響を整理します
初診は、受付から診察、会計までを含めて30〜45分程度が所要時間の目安です。
診察では、発作時の症状や発生した場面、予期不安、避けるようになった場所について伺います。
発作が起きた日時や症状、持続時間をメモしておくと、診察時にこれまでの経過を伝えやすくなります。
他院で受けた検査の結果やお薬手帳がある方は、受診時にご持参ください。
診療枠が残っている日は予約手続き後すぐに受診できます
初診予約は、WEBまたはLINEから24時間申し込めます。
当日の診療枠に空きが表示されている場合は、申し込みを行った日に受診することも可能です。
当日分が埋まっているときは、翌日以降に表示される予約可能な日時から受診日を選択してください。
予約から受診までの日数は混雑状況によって変わるため、予約画面で最新の空き状況をご確認いただけます。
治療初期は2週間前後の間隔で発作の変化を確認します
治療を始めた時期は、発作や予期不安の変化を確認するため、2週間に1回程度の通院が目安です。
薬を開始した場合には、発作への効果に加え、眠気や吐き気などの副作用がないかも確認します。
発作が減り、外出や通勤への影響が落ち着いた後は、月1回程度まで診察の間隔を延ばすことがあります。
実際の通院頻度は症状や治療内容によって異なるため、患者様の状態に合わせて調整します。
発作により就労が難しい場合は休職用の診断書を相談できます
パニック発作や予期不安によって出勤や業務の継続が難しい場合は、診断書について医師へ相談できます。
診察の結果、休養が必要な状態と判断された場合には、初診当日にクリニック書式の診断書を発行することが可能です。
症状の経過について追加の確認が必要な場合は、複数回の診察を経てから作成することがあります。
発行の可否や療養期間、記載内容は医師が判断し、勤務先などが用意した指定様式には原則として対応していません。
当院で対応したパニック障害の症状事例

パニック発作が起こる場所や身体症状は患者様によって異なり、発作後の予期不安が生活へ影響することもあります。
ここでは、当院へ相談されることのある代表的な症状事例を紹介します。
通勤電車で息苦しさと動悸が突然現れた事例
通勤中の電車内で突然心臓が激しく動き始め、呼吸ができなくなるような感覚に襲われた事例です。
途中駅で下車すると徐々に症状は落ち着きましたが、その後も電車に乗る前から強く緊張するようになりました。
再び発作が起きることを恐れ、各駅停車を利用したり、途中で何度も降りたりする状態が続いていました。
診察では発作時の身体症状と予期不安、通勤への影響を確認し、治療の進め方を検討しました。
※症状の経過には個人差があり、回復までの期間や治療内容は患者様によって異なります。
夜間の激しい動悸で救急受診を繰り返していた事例
就寝前に胸の圧迫感や激しい動悸が突然現れ、命に関わる病気ではないかと感じて救急外来を受診した事例です。
身体の検査では大きな異常が見つかりませんでしたが、自宅へ戻った後も同じ症状が起こることを恐れていました。
夜になると身体の変化へ意識が集中し、眠ることに不安を感じる状態も続いています。
診察では発作が起きる時間帯や検査結果、睡眠への影響を確認し、不安を軽減するための治療を検討しました。
※症状の経過には個人差があり、回復までの期間や治療内容は患者様によって異なります。
外出先で倒れることが怖く一人で出かけられなくなった事例
買い物中にめまいや発汗が現れたことをきっかけに、外出先で倒れるのではないかと不安になった事例です。
一人で出かけることを避け、家族が同行できる日だけ近所の店舗を利用するようになっていました。
発作が起きていない日にも逃げられる場所を確認し続けるため、外出そのものに強い疲労を感じていました。
診察では避けている場所と不安の程度を整理し、負担の少ない範囲から生活範囲を広げる方法を検討しました。
※症状の経過には個人差があり、回復までの期間や治療内容は患者様によって異なります。