退職給付金制度の申請方法5ステップ|受給条件・必要書類を徹底解説

社労士在籍
本記事は社会保険労務士が在籍する編集部が、雇用保険法・健康保険法に基づき作成しています。最新情報は必ずハローワークでご確認ください。

「退職給付金制度って、どうやって申請すればいいの?」「自分はいくらもらえる?どこに行けばいい?」——退職を決意したとき、こうした疑問が頭をよぎる方は多いはずです。

退職給付金制度の申請手続きは、正しい手順を踏めば決して難しくありません。しかし、必要書類の準備を怠ったり、申請先を間違えたりすると、給付金を受け取るまでに余計な時間がかかってしまいます。

この記事では、退職給付金制度の申請方法を5ステップで完全解説。受給条件・必要書類・もらえる金額の目安から、サジェストで多く検索される「怪しい?」「自分で申請できる?」といった疑問まで、一気に解消します。

⚠️ 申請手続きを間違えると給付金を受け取れないケースがあります



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退職給付金制度とは?一覧でわかる給付の種類

まず「退職給付金」という言葉の意味を整理しましょう。「退職給付金」は法律上の正式名称ではなく、退職後に受け取れる複数の給付制度をまとめた総称として使われています。

具体的には、大きく分けて「国の公的制度」「会社独自の制度(退職金)」の2種類があります。

退職給付金一覧:国の公的制度

給付の種類 根拠法 申請先 主な対象
基本手当(失業手当) 雇用保険法 ハローワーク 求職活動中の離職者
再就職手当 雇用保険法 ハローワーク 早期再就職した離職者
傷病手当(雇用保険) 雇用保険法 ハローワーク 病気・ケガで求職活動が困難な離職者
傷病手当金(健康保険) 健康保険法 協会けんぽ・健保組合 病気・ケガで就労不能な在職・退職者
教育訓練給付金 雇用保険法 ハローワーク スキルアップを目指す在職・離職者
特例一時金 雇用保険法 ハローワーク 季節的に雇用された短期労働者

多くの方が「退職後にもらえるお金」としてイメージするのは、この中の基本手当(失業手当)です。本記事では、特に申請件数の多い「基本手当の申請方法」をメインに解説します。

退職金(会社の制度)との違い

会社が支払う「退職金」と、国の制度である「基本手当(失業手当)」は全く別物です。退職金は会社の規程に基づくものなので、制度がない会社では支払われません。一方、基本手当は雇用保険に加入していれば誰でも申請できる権利です。

項目 基本手当(失業手当) 退職金
支給元 国(雇用保険制度) 勤務していた会社
根拠 雇用保険法 会社の退職金規程
目的 失業中の生活保障と再就職支援 功労報奨・賃金の後払い
手続き場所 ハローワーク 会社

退職給付金制度の申請方法【5ステップ完全解説】

退職給付金(基本手当)の申請方法は、すべてハローワークで行います。全体の流れは5つのステップに分かれており、順番通りに進めれば誰でも手続きが完了します。

ステップ1:退職時に会社から離職票を受け取る

手続きの第一歩は、退職した会社から「雇用保険被保険者離職票(-1・-2)」を受け取ることです。この書類がなければハローワークでの手続きが始められません。

通常、退職日から10日〜2週間程度で自宅に郵送されます。2週間を過ぎても届かない場合は、会社の担当部署に問い合わせましょう。離職票には賃金額や離職理由が記載されているため、内容に誤りがないか必ず確認してください。

⚠️ 離職票は退職後すぐには発行されません。急いでいる場合は、会社に早めの発行を依頼しましょう。なお、退職直後でも「雇用保険被保険者証」の返却は受けられますので、手元に置いておきましょう。

ステップ2:現住所を管轄するハローワークへ行く

離職票が届いたら、現在住んでいる住所を管轄するハローワークに行きます。以前勤めていた会社の所在地のハローワークではないため注意が必要です。

管轄ハローワークは、厚生労働省の「ハローワーク所在地・管轄一覧」から検索できます。受付時間は平日8:30〜17:15が一般的ですが、初回手続きは時間がかかるため午前中の来所がおすすめです。

ステップ3:求職の申込みと受給資格の決定

ハローワーク窓口で「失業手当の手続きをしたい」と伝えると、まず「求職の申込み」を行います。これは「仕事を探している」という意思をハローワークに登録する手続きです。

その後、持参した書類を提出し、職員との面談を経て、失業手当を受け取る資格(受給資格)が正式に決定されます。受給資格が認められると、次回来所すべき「雇用保険受給者初回説明会」の日時が案内されます。

ステップ4:雇用保険受給者初回説明会への参加

指定された日時に再度ハローワークへ行き、「雇用保険受給者初回説明会」に参加します。この説明会は原則として必ず参加が必要で、失業手当の受給ルールや申告書の書き方などを詳しく学びます。

説明会では以下の2点が交付されます。紛失しないよう大切に保管してください。

  • 雇用保険受給資格者証(本人確認・手続きに毎回使用)
  • 失業認定申告書(第1回)(求職活動の報告に使用)

ステップ5:失業認定を受けて給付金を受け取る

失業手当は原則として4週間に1度、指定された「認定日」にハローワークへ行き、「失業の認定」を受けることで振り込まれます。

失業の認定では、前回の認定日から今回までの期間に求職活動を行ったことを「失業認定申告書」で報告します。認定が通ると、通常5営業日以内に指定口座に4週間分の給付金が振り込まれます。給付終了まで、このサイクルを繰り返します。

📌 認定日を無断欠席すると、その期間分の給付金が受け取れません。やむを得ない事情がある場合は、事前にハローワークへ連絡しましょう。

退職給付金(基本手当)をもらえる条件とは?自己都合・会社都合の違い

📎 公式情報ソース

退職給付金(基本手当)は、退職した全員がもらえるわけではありません。以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。

条件①:雇用保険の被保険者期間が一定以上ある

必要な加入期間は離職理由によって異なります。

離職理由 必要な被保険者期間 カウント対象期間
自己都合退職(転職・結婚など) 通算12ヶ月以上 離職日以前の2年間
会社都合退職(倒産・解雇など)
特定受給資格者・特定理由離職者
通算6ヶ月以上 離職日以前の1年間

※「1ヶ月」とは、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を指します。

自分がどちらに該当するかは、会社から受け取る離職票-2の「離職理由」欄で確認できます。

条件②:ハローワークが定める「失業の状態」にあること

「失業の状態」とは、単に仕事をしていないことではありません。以下の3要素をすべて満たしている必要があります。

  1. 就職しようとする積極的な意思があること
  2. いつでも就職できる能力(健康状態・環境など)があること
  3. 積極的に仕事を探しているにもかかわらず、就職できない状態であること

そのため、病気やケガで就労不能な方・学業専念中の学生・自営業を始めた方などは、この条件を満たさず基本手当は受け取れません。(ただし、病気・ケガの場合は後述の「受給期間の延長」制度が使えます)

条件③:ハローワークで求職の申込みを行っていること

本人がハローワークに行き、自ら求職の申込みをしなければ給付は始まりません。申請は代理人では原則として認められていないため、必ず本人が来所してください。

【2025年4月改正】給付制限期間が短縮されました

2025年4月の雇用保険法改正により、自己都合退職の場合の給付制限期間が従来の「原則3ヶ月」から「原則2ヶ月」に短縮されました。また、退職前に自発的に職業訓練などを受講していた場合は給付制限なしで受給できる要件も整備されています。最新情報は必ずハローワークでご確認ください。

退職給付金の申請に必要な書類一覧【ハローワーク持参用チェックリスト】

📎 公式情報ソース

書類が不足していると、当日手続きが完了しません。事前に以下のチェックリストで確認しておきましょう。

【会社から受け取るもの】

📄 会社から受け取る書類
  • 雇用保険被保険者離職票(-1・-2) ※最重要。内容の誤りは会社に訂正を依頼
  • 雇用保険被保険者証 ※紛失してもハローワークで再発行可能

【自分で用意するもの】

📄 自分で用意する書類
  • 個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード+住民票 のいずれか)
  • 身元確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等の顔写真付き1点、または健康保険証など2点)
  • 証明写真 2枚(縦3.0cm×横2.5cm、正面上半身、最近撮影したもの)
  • 印鑑(認印可。シャチハタ等のスタンプ印は不可)
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード(一部ネット銀行は指定不可の場合あり)

💡 マイナンバーカードを持っている場合は、「個人番号確認書類」と「身元確認書類」を1枚でまとめられるため便利です。

退職給付金はいくらもらえる?受給額・受給期間のシミュレーション

📎 公式情報ソース

受給額(基本手当日額)の計算方法

1日あたりの受給額を「基本手当日額」といいます。計算式は以下のとおりです。

基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%)

  • 賃金日額:離職日直前6ヶ月間の賃金合計 ÷ 180
  • 給付率:賃金が低いほど高率(最大80%)、賃金が高いほど低率(最低50%)

おおまかには、退職前の月給の50〜80%程度が1日単位で支給されるイメージです。ただし、年齢区分ごとに上限額・下限額が定められています。

受給額シミュレーション(目安)

退職前の月給 基本手当日額(目安) 月換算(目安)
20万円 約4,500〜5,500円 約13〜16万円
30万円 約6,000〜7,500円 約18〜22万円
40万円 約7,500〜9,000円 約22〜27万円

※上記は目安であり、実際の受給額はハローワークで計算されます。

受給期間(所定給付日数)は離職理由と加入期間で決まる

給付を受けられる最大日数は「所定給付日数」といい、年齢・被保険者期間・離職理由の3要素で決まります。

▼ 自己都合退職(一般離職者)

被保険者期間 所定給付日数
10年未満 90日
10年以上20年未満 120日
20年以上 150日

▼ 会社都合退職(特定受給資格者)

被保険者期間 〜29歳 30〜34歳 35〜44歳 45〜59歳 60〜64歳
1年未満 90日 90日 90日 90日 90日
1〜5年未満 90日 120日 120日 150日 150日
5〜10年未満 120日 180日 180日 240日 180日
10〜20年未満 180日 210日 240日 270日 210日
20年以上 240日 270日 330日 240日

会社都合で離職した方は、自己都合の方より手厚く保護される仕組みになっています。なお、いずれの場合も受給期間(原則1年間)内に所定給付日数を消化する必要があります。

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退職前に申請する給付金・退職後に申請する給付金の違い

「退職前 給付金 自分で申請」という検索が多いように、給付金の種類によって申請のタイミングが異なります。特に傷病手当金は「退職前から申請できる」制度であるため、混同に注意が必要です。

給付の種類 申請タイミング 申請先 主な条件
傷病手当金(健康保険) 退職前〜退職後 協会けんぽ・健保組合 病気・ケガで就労不能 / 被保険者期間1年以上
基本手当(失業手当) 退職後 ハローワーク 求職活動中・被保険者期間12ヶ月以上(自己都合)
再就職手当 再就職後 ハローワーク 所定給付日数の1/3以上を残して再就職
教育訓練給付金 訓練修了後 ハローワーク 指定講座の受講・修了

傷病手当金と失業手当の「リレー受給」とは?

心身の不調で退職した場合、「傷病手当金(最長1年6ヶ月)→ 失業手当」の順番で受け取る「リレー受給」が可能です。ただし、この2つは同時に受け取ること(併給)はできません。

⚠️ リレー受給には「受給期間の延長申請」が必要です。退職後すぐにハローワークで延長手続きを行わないと、失業手当の受給期間(原則1年)が過ぎてしまい受け取れなくなる可能性があります。

退職給付金制度の申請方法に関するよくある質問(Q&A)

Q. 退職給付金制度のデメリットはありますか?

最大の注意点は受給中は原則として健康保険の扶養に入れないことです。また、受給期間中も国民健康保険・国民年金の保険料は自己負担となります。さらに、長期受給はキャリアの空白期間につながる点にも注意が必要です。

Q. ハローワーク以外に退職給付金を申請できる窓口はありますか?

基本手当(失業手当)の初回申請手続きは、お住まいの住所を管轄するハローワークの窓口でのみ受付しています。オンラインや郵送での申請はできません。必ず本人が来所する必要があります。

Q. 退職給付金は自己都合退職でももらえますか?

はい、もらえます。ただし自己都合退職の場合、7日間の待期期間に加えて原則2ヶ月の給付制限期間があります。また、会社都合退職と比べて所定給付日数が少なくなります。正当な理由がある自己都合退職(特定理由離職者)と認められれば、給付制限がなくなるケースもあります。

Q. 退職給付金一覧を教えてください。パートやアルバイトでももらえますか?

パート・アルバイトでも、「週の所定労働時間が20時間以上」かつ「31日以上の雇用見込みがある」という条件で雇用保険に加入していれば、正社員と同様に基本手当を受け取れます。受け取れる給付金の種類については、本記事の「退職給付金一覧」をご確認ください。

Q. 退職前に申請できる給付金はありますか?自分でできますか?

傷病手当金は退職前から申請が可能で、自分で手続きできます。協会けんぽまたは加入している健保組合の窓口(または郵送)で申請します。基本手当(失業手当)は退職後にハローワークで申請します。いずれも自分での申請は可能ですが、書類の不備や手続きのミスで給付を受け損ねるリスクもあるため、不安な場合は専門家への相談も選択肢の一つです。

Q. 退職したら200万円もらえる制度とは何ですか?

「200万円もらえる」という情報は、傷病手当金(最長1年6ヶ月)と失業手当を組み合わせた場合のトータル受給額が高額になりうることを指しています。単一の「退職給付金制度」として200万円が支給されるわけではありません。受給には厳格な条件があり、誰でも必ずもらえるものではありません。

まとめ:退職給付金制度の申請方法は5ステップ、まず条件確認から

退職給付金(基本手当)の申請方法と受給条件について解説しました。重要なポイントをまとめます。

✅ この記事のまとめ
  • 申請方法の5ステップ:①離職票の受け取り → ②管轄ハローワークへ来所 → ③求職申込みと受給資格決定 → ④初回説明会参加 → ⑤認定日ごとに失業認定を受けて受給
  • 申請先:現住所を管轄するハローワーク(窓口での本人申請のみ)
  • 受給条件:被保険者期間(自己都合12ヶ月以上・会社都合6ヶ月以上)、失業状態、求職の申込みの3つ
  • 受給額の目安:離職前の月給の50〜80%程度
  • 受給期間:離職理由・年齢・加入期間によって90〜330日
  • 傷病手当金との組み合わせ:心身の不調がある場合は「リレー受給」で受給総額を最大化できる可能性あり

「手続きが複雑そう」と感じた方も、一つひとつのステップは決して難しくありません。まずは離職票を受け取り、最寄りのハローワークへ行くこと——それが最初の一歩です。

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免責事項:本記事の情報は、執筆時点の雇用保険法・健康保険法等の法令に基づいています。実際の給付可否や受給額は、個人の加入状況・賃金・離職理由・年齢等により異なります。個別の案件については、最寄りのハローワーク、全国健康保険協会(協会けんぽ)、または社会保険労務士・弁護士等の専門家にご相談ください。

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