会社を辞める前に知っておくとためになる情報!お金やハローワークの手続き、転職の流れについて

会社を辞めるという決断は、人生の大きな転機です。期待と同時に、「手続きが面倒くさそう」「お金は大丈夫だろうか」「円満に辞められるかな」といった不安も大きいのではないでしょうか。
しかし、安心してください。辞める前に知っておくべき情報を整理し、計画的に準備を進めれば、後悔のないスムーズな退職は十分に可能です。
この記事では、お金、手続き、転職活動といった側面から、会社を辞める前に知っておくとためになる情報を網羅的に解説します。
損をしないための知識を身につけ、新しいキャリアへの第一歩を自信を持って踏み出しましょう。

会社を辞める前にやるべきことチェックリスト【完全版】

退職を決意してから実際に会社を去るまでには、やるべきことがたくさんあります。漏れがないように、まずはこのチェックリストで全体像を把握しましょう。

カテゴリ チェック項目
意思決定〜交渉 □ 就業規則で退職に関する規定を確認する
□ 直属の上司に退職の意思を伝える(1.5〜3ヶ月前が目安)
□ 退職日を決定し、合意する
□ 退職届を作成し、提出する
引継ぎ・整理 □ 業務の引継ぎ計画を立て、後任者へ引き継ぐ
□ 取引先や関係各所への挨拶を行う
□ 有給休暇の残日数を確認し、消化計画を立てる
□ 会社から借りている備品(PC、社員証等)をリストアップする
□ デスク周りの私物を整理・処分する
お金・手続き □ 退職後の健康保険をどうするか決める(国保/任意継続/扶養)
□ 失業保険の受給条件を確認する
□ 必要な貯金額をシミュレーションしておく
□ クレジットカードやローンの申し込みを検討する
書類関連 □ 会社から受け取る書類を確認する(離職票、源泉徴収票など)
□ 会社に返却する書類を確認する(健康保険証など)
転職活動 □ 転職活動を始めるタイミングを決める(在職中/退職後)
□ 履歴書・職務経歴書を更新する
□ 転職サイトやエージェントに登録する

【お金編】会社を辞める前に知っておくべき金銭面の知識

退職後の生活を支えるのは、やはりお金です。もらえるお金、支払うお金を正確に把握し、経済的な不安を解消しておきましょう。

失業保険(雇用保険)はいくらもらえる?受給条件と手続き

失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)は、退職後の生活を支える重要なセーフティネットです。受給するには一定の条件を満たす必要があります。

【主な受給条件】

  • 離職日以前2年間に、被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること。
  • ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があること。

自己都合退職の場合、通常は7日間の待期期間に加えて2ヶ月または3ヶ月の給付制限期間があります。つまり、すぐにお金が振り込まれるわけではないので注意が必要です。

受給できる金額は、離職前の賃金に基づいて計算されます。目安としては、離職前6ヶ月間の給料の合計を180で割った額(賃金日額)の約50〜80%です。手続きは、住所地を管轄するハローワークで行います。会社から交付される「離職票」が必要になるので、必ず受け取りましょう。

退職後の税金(住民税・所得税)の支払いと手続き

会社員の間は給与から天引きされていた税金も、退職後は自分で納める必要があります。

  • 住民税
    住民税は前年の所得に対して課税されるため、退職後も支払う義務があります。支払い方法は退職時期によって異なりますが、多くの場合は退職後に自宅へ納付書が届き、自分で支払う「普通徴収」に切り替わります。退職金で一括納付する方法もありますが、一般的には4期に分けて支払います。収入がなくても支払う必要があるため、事前に資金を準備しておきましょう。
  • 所得税
    年の途中で退職し、年内に再就職しない場合は、年末調整が行われないため、自分で「確定申告」をする必要があります。確定申告をすることで、払いすぎていた所得税が還付される可能性があります。会社から受け取る「源泉徴収票」は確定申告に必須の書類なので、大切に保管してください。

健康保険・年金の切り替え手続きと保険料

退職すると、会社の健康保険と厚生年金の資格を失います。速やかに次のいずれかの手続きを行いましょう。

選択肢 対象者 メリット デメリット
① 国民健康保険に加入 ほとんどの人が対象 収入によっては保険料が安くなる場合がある 前年の所得で保険料が決まるため、高額になることがある
② 家族の扶養に入る 年収見込みが130万円未満など、条件を満たす場合 自分で保険料を負担する必要がない 扶養者の所得が増えるわけではない
③ 任意継続被保険者制度 退職日までに継続して2ヶ月以上被保険者期間がある人 在職時と同じ保険給付を受けられる。扶養家族も継続できる 会社負担分がなくなるため、保険料は原則2倍になる

年金については、国民年金(第1号被保険者)への切り替え手続きが必要です。お住まいの市区町村役場の窓口で手続きを行いましょう。どの健康保険を選ぶかによって保険料は大きく変わるため、役所で保険料のシミュレーションをしてもらい、比較検討することをおすすめします。

退職金の相場と就業規則の確認方法

退職金は法律で義務付けられている制度ではないため、会社によって支給の有無や金額が異なります。まずは、自社の「就業規則」や「退職金規程」を確認しましょう。これらの書類は、社内のイントラネットで閲覧できたり、人事部に依頼すれば見せてもらえたりするのが一般的です。

退職金の相場は、勤続年数や学歴、退職理由によって大きく変動します。例えば、勤続10年の自己都合退職の場合、大卒で100万円〜200万円程度が一つの目安とされていますが、あくまで参考値です。自分の会社の規定を確認することが最も確実です。

最低限必要な貯金額のシミュレーション

次の仕事が決まっていない状態で退職する場合、最低でも生活費の3ヶ月分、できれば6ヶ月分の貯金があると安心です。失業保険がすぐにもらえないことや、国民健康保険料・住民税の支払いを考慮に入れる必要があります。

【シミュレーション例(一人暮らし・月間生活費20万円の場合)】

  • 生活費:20万円 × 6ヶ月 = 120万円
  • 住民税・健康保険料など:約30万円(仮)
  • 合計:150万円

これはあくまで一例です。自分の家賃や食費、通信費などを具体的に書き出し、必要な貯金額を計算してみてください。

クレジットカード・ローンの契約は在職中に済ませるべき理由

クレジットカードの新規作成や、自動車ローン、住宅ローンなどの申し込みを検討している場合は、必ず在職中に済ませておきましょう。

退職して無職になると、「社会的信用」が著しく低下し、審査に通過するのが非常に難しくなります。会社員という安定した収入源がある状態は、審査において最も有利な条件です。将来的に大きな買い物をする計画があるなら、退職前に手続きを完了させることを強くおすすめします。

【手続き編】円満退職までの流れと必要な書類

円満退職は、次のステップへ気持ちよく進むために非常に重要です。感情的にならず、社会人としてのマナーを守って手続きを進めましょう。

STEP1:退職意思の伝達と退職交渉

就業規則の確認(退職の何ヶ月前に伝えるべきか)

まず、自社の就業規則で「退職の申し出は、退職希望日の何ヶ月前までに行うこと」と定められているかを確認します。一般的には「1ヶ月前」とされていることが多いですが、引継ぎ期間を考慮し、1.5ヶ月〜3ヶ月前には伝えるのが理想的です。法律(民法第627条)では、期間の定めのない雇用契約の場合、退職の申し出から2週間で退職できるとされていますが、円満退職を目指すなら就業規則に従うのが賢明です。

退職理由の伝え方と例文

退職意思は、まず直属の上司に口頭で伝えます。メールや他の人を介して伝えるのはマナー違反です。「ご相談したいことがあるのですが、少しお時間をいただけますでしょうか」と切り出し、会議室など他の人に聞かれない場所で話しましょう。

退職理由は、会社の不満や人間関係の愚痴など、ネガティブな内容を伝えるのは避けるべきです。「一身上の都合」で十分ですが、より具体的に伝える場合は、ポジティブな理由を述べるとスムーズです。

【例文】
「突然のご報告で申し訳ありません。この度、一身上の都合により、〇月末日をもちまして退職させていただきたく、ご相談に参りました。以前から挑戦したいと考えておりました〇〇の分野で、自分のキャリアを追求したく、退職を決意いたしました。残りの期間、引継ぎは責任を持って行いますので、何卒よろしくお願い申し上げます。」

STEP2:退職届の作成と提出

上司との話し合いで退職日が確定したら、「退職届」を作成して提出します。会社によってはフォーマットが用意されている場合もあります。退職「願」は退職のお願い(撤回可能)ですが、退職「届」は退職の確定通知(原則撤回不可)という違いがあります。一般的には、退職日が確定した後に退職届を提出します。

STEP3:業務の引継ぎと挨拶回り

円満退職の鍵は、丁寧な引継ぎです。自分が辞めた後、部署のメンバーや取引先に迷惑がかからないよう、責任を持って行いましょう。

  • 引継ぎ資料の作成: 誰が見ても分かるように、業務内容、手順、関係者の連絡先、注意点などを文書でまとめます。
  • 後任者との同行: 可能であれば、後任者と一緒に取引先を訪問したり、実際の業務を隣で教えたりする期間を設けます。
  • 挨拶回り: お世話になった社内の人々や、担当していた取引先には、後任者を紹介しつつ、直接またはメールで退職の挨拶をします。

STEP4:有給休暇の消化交渉

年次有給休暇の取得は労働者の権利です。残っている有給は、退職日までにすべて消化できるよう、上司と相談しましょう。業務の引継ぎスケジュールを考慮し、早めに消化計画を立てて申し出ることが重要です。会社側は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、有給休暇の取得を拒否することはできません。

STEP5:会社から受け取る重要書類一覧

退職日やその後に会社から受け取る書類は、失業保険の申請や転職先での手続きに必要不可欠です。必ずすべて受け取ったか確認しましょう。

書類名 主な用途
離職票 失業保険(基本手当)の受給手続きに必須
雇用保険被保険者証 雇用保険に加入していた証明。転職先で提出
源泉徴収票 確定申告や、転職先での年末調整に必要
年金手帳 国民年金への切り替えや、転職先での手続きに必要
健康保険資格喪失証明書 国民健康保険への加入手続きに必要

STEP6:備品の返却と私物の整理

最終出社日には、会社からの貸与物をすべて返却します。

  • 健康保険証(最終出社日まで有効)
  • 社員証、入館証、名刺
  • パソコン、スマートフォン、制服など

デスク周りやロッカーの私物も忘れずに持ち帰りましょう。会社のパソコンに保存した個人的なデータも、事前に削除しておくのがマナーです。

【転職活動編】次の仕事は辞める前に探すべきか?

退職後のキャリアプランも重要な準備の一つです。転職活動を始めるタイミングは、在職中か退職後かでメリット・デメリットが異なります。

辞める前に転職先を決めるメリット・デメリット

【メリット】

  • 経済的な安心感: 収入が途切れないため、焦らずに転職活動ができる。
  • キャリアのブランクがない: 職務経歴に空白期間ができない。
  • 強気な交渉が可能: 「現職に留まる」という選択肢があるため、給与や待遇の交渉で有利な立場を保ちやすい。

【デメリット】

  • 時間の確保が難しい: 平日の面接など、現職とのスケジュール調整が大変。
  • 情報漏洩のリスク: 転職活動をしていることが現職に知られる可能性がある。
  • 十分な準備ができない: 忙しい業務の合間に行うため、企業研究や面接対策が不十分になりがち。

辞めた後に転職活動をするメリット・デメリット

【メリット】

  • 時間に集中できる: 転職活動に専念できるため、企業研究や面接対策に時間をかけられる。
  • スケジュール調整が容易: 平日日中の面接にも柔軟に対応できる。
  • リフレッシュできる: 一旦心身をリフレッシュしてから、新しいスタートを切れる。

【デメリット】

  • 経済的な不安: 収入がないため、貯金が減っていく焦りから妥協した転職をしてしまう可能性がある。
  • キャリアにブランクができる: 離職期間が長引くと、選考で不利になることがある。
  • 精神的なプレッシャー: 「早く決めなければ」という焦りや孤独感を感じやすい。

仕事を辞める前にハローワークで相談できること

ハローワークは失業した人だけが利用する場所ではありません。在職中の人でも、求人情報の検索やキャリア相談が可能です。「求職者登録」をしておけば、自分のスキルや経験に合った求人を紹介してもらうこともできます。転職活動の第一歩として、情報収集のために訪れてみるのも良いでしょう。

在職中におすすめの転職活動の進め方

在職中に効率よく転職活動を進めるなら、転職エージェントの活用がおすすめです。キャリア相談から求人紹介、面接の日程調整、給与交渉まで、専門のキャリアアドバイザーが無料でサポートしてくれます。自分一人で進めるよりも、時間的・精神的な負担を大幅に軽減できるでしょう。

会社を辞める前にやってはいけないNG行動

円満退職を台無しにし、自分の評判を落とすような行動は絶対に避けましょう。

突然の退職(びっくり退職)や無断欠勤

「明日からもう行きません」といった突然の退職や、連絡なしの無断欠勤は、会社に多大な迷惑をかけるだけでなく、損害賠償請求などのトラブルに発展するリスクもあります。社会人としての責任を放棄する行為であり、絶対にやめましょう。

会社の不満や悪口をSNSや同僚に言う

退職が決まると気が緩みがちですが、会社の不満や上司・同僚の悪口を公言するのはNGです。特にSNSでの発信は、どこで誰が見ているか分かりません。業界は意外と狭いもので、将来のキャリアに悪影響を及ぼす可能性があります。

引継ぎを疎かにする

「辞める会社だから関係ない」と引継ぎを適当に行うのは、最もやってはいけないことの一つです。残された同僚に迷惑がかかるだけでなく、あなた自身の社会人としての評価を著しく下げます。「立つ鳥跡を濁さず」の精神で、最後まで責任を果たしましょう。

会社の顧客情報や機密データの持ち出し

会社の顧客情報や技術情報、営業資料などを個人的なUSBメモリにコピーしたり、私用のメールアドレスに送信したりする行為は、不正競争防止法違反や情報漏洩にあたり、法的な責任を問われる可能性があります。絶対にやめましょう。

会社を辞めるか迷ったときの判断基準

退職すべきかどうかの決断は簡単ではありません。迷ったときは、以下の基準で冷静に考えてみましょう。

まともな人が辞めていく会社の特徴7選

優秀で人柄の良い同僚や尊敬できる上司が次々と辞めていく場合、その会社には構造的な問題がある可能性があります。

  1. 評価制度が不透明で、正当な評価がされない。
  2. 経営陣のビジョンが見えず、会社の将来性に不安がある。
  3. 長時間労働や休日出勤が常態化している。
  4. ハラスメントが横行しているが、会社が対処しない。
  5. 成長できる環境がなく、スキルアップが見込めない。
  6. 給与が業界水準より著しく低い、または上がらない。
  7. 社内のコミュニケーションが乏しく、雰囲気が悪い。

これらに多く当てはまるなら、退職を前向きに検討する価値はあるでしょう。

キャリアプランと照らし合わせて考える

「3年後、5年後、自分はどんなスキルを身につけ、どんな立場で働いていたいか?」という自分のキャリアプランを描いてみましょう。今の会社でそのプランが実現可能かどうかを客観的に評価します。もし、今の会社にいても理想の自分に近づけないと感じるなら、環境を変えるタイミングなのかもしれません。

心身の健康状態を最優先する

何よりも大切なのは、あなた自身の心と体の健康です。「朝、会社に行こうとすると涙が出る」「眠れない日が続いている」「常に仕事のプレッシャーで胃が痛い」といった症状があるなら、それは危険信号です。仕事のために健康を損なっては元も子もありません。休職や異動も選択肢ですが、環境を変えることが最善の解決策である場合も少なくありません。

会社を辞める前によくある質問(Q&A)

退職理由のワースト1位は何ですか?

厚生労働省の調査などを見ると、男女ともに「人間関係」が常に上位に挙げられます。次いで「労働時間・休日・休暇の条件が悪かった」「給与に不満があった」「会社の将来性に不安を感じた」などが続きます。ただし、退職交渉の場でこれらのネガティブな理由をストレートに伝えるのは避けた方が無難です。

ボーナスをもらってすぐ辞めても問題ない?

法的には全く問題ありません。ボーナスは、過去の労働に対する対価として支払われるものです。支給日に在籍していれば、受け取る権利があります。ただし、ボーナス支給直後に退職を申し出ると、周囲から「計画的だった」と見なされ、心証を悪くする可能性はあります。可能であれば、支給後少し期間を空けてから伝えるなどの配慮があると、より円満に進めやすいでしょう。

会社から強く引き止められた場合の対処法は?

まず、感謝の気持ちを伝えた上で、退職の意思が固いことを明確に伝えましょう。「給与を上げる」「部署を異動させる」といった対案を出されることもありますが、一度辞めると決めた根本的な原因が解決しない限り、同じ問題が再発する可能性が高いです。感情的にならず、冷静に「自分の将来のために決断したこと」を伝え、退職交渉を進めましょう。

退職代行サービスは利用すべきですか?

「上司が高圧的で話を聞いてくれない」「精神的に追い詰められていて、自分で退職を言い出せない」といった状況であれば、退職代行サービスの利用は有効な選択肢です。弁護士や労働組合が運営するサービスであれば、法的に適切に手続きを進めてくれます。ただし、費用がかかることや、引継ぎなどがスムーズに行えない可能性がある点は理解しておく必要があります。まずは自分で円満退職を目指し、どうしてもの場合の最終手段として検討するのが良いでしょう。

まとめ:計画的な準備で後悔のない退職をしよう

会社を辞めることは、決してネガティブなことではありません。新しい可能性を追求するための、前向きな一歩です。しかし、その一歩を成功させるためには、事前の情報収集と計画的な準備が不可欠です。

お金の不安、手続きの漏れ、人間関係のトラブルを避けるために、この記事で紹介したチェックリストや知識を活用してください。やるべきことを一つひとつ着実にクリアしていくことで、不安は自信に変わっていきます。しっかりと準備を整え、後悔のない退職を実現し、素晴らしい次のキャリアへと進んでいきましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

柏心療内科・精神科よりそいメンタルクリニックでは、患者様に寄り添った診察を心がけております。また、医療コラムを通じて医療系に関する情報の提供をできるように努めてまいります。

失業保険の相談なら