傷病手当と失業保険は両方もらえる?併給不可の理由と正しい切り替え方を解説

社労士在籍
本記事は社会保険労務士が在籍する編集部が、健康保険法・雇用保険法に基づき作成しています。最新情報は必ずハローワーク・加入健保にてご確認ください。

「傷病手当と失業保険、両方もらえるって本当?」「どちらが得なの?」「切り替えのタイミングを間違えたら損するって聞いたけど…」

病気やケガで退職を余儀なくされた方が、真っ先に抱えるこの疑問に、本記事では結論から丁寧にお答えします。

結論:傷病手当金と失業保険(基本手当)を同じ期間に両方もらうことはできません。ただし、正しい順番で手続きすれば、合計で最大2年以上・総額200万円超の給付を受け取れる可能性があります。

この記事では、併給できない理由・どちらが得か・切り替えの全手順・注意点まで、社労士監修のもと徹底解説します。

⚠️ 手続きのタイミングを間違えると数十万円損します



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傷病手当と失業保険は両方もらえる?併給できない理由を解説

傷病手当金とは?「働けない人」を守る健康保険の制度

傷病手当金は、業務外の病気やケガで仕事を休み、十分な給与を受けられない場合に支給される健康保険の給付金です。

受給の大前提は「労務不能」、つまり病気やケガで働きたくても働けない状態であることです。在職中はもちろん、一定の条件を満たせば退職後も継続受給が可能です。

失業保険(雇用保険の基本手当)とは?「働ける人」の求職活動を支える制度

失業保険は、働く意思と能力があるにもかかわらず就職できない「失業の状態」にある人を対象に、ハローワークを通じて支給される雇用保険の給付金です。

「健康でいつでも働ける状態にあり、積極的に仕事を探している人」が対象であり、求職活動中の生活費を支えることが目的です。

なぜ同時受給(併給)できないのか?

2つの制度の前提条件を並べると、その矛盾は明らかです。

  • 傷病手当金:「働けない状態(労務不能)」が条件
  • 失業保険:「いつでも働ける状態(就労能力あり)」が条件

前提条件が正反対のため、同じ日に両方を受け取ることは制度上できません。療養中は傷病手当金、回復して求職活動ができるようになったら失業保険へ切り替えるのが基本の流れです。

💡 ただし「リレー受給」なら合計200万円超も可能
傷病手当金(最大1年6ヶ月)を先に受け取り、その後に失業保険(最大150〜330日)を受け取る「リレー形式」をとることで、トータルの受給期間と金額を最大化できます。これが「両方もらう」ことが可能な正しい意味です。

傷病手当と失業保険はどちらが得?金額・期間・条件を徹底比較

受給金額で比較|給与の約2/3 vs 給与の5〜8割

制度 1日あたりの支給額の目安 計算方法
傷病手当金 標準報酬月額の平均の約2/3 支給開始前12ヶ月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3
失業保険 離職前6ヶ月賃金の約50〜80%(上限あり) 賃金日額(離職前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180)× 給付率

失業保険の方が給付率の最大値は高いですが、低所得者ほど給付率が高くなる仕組みで、上限額も定められています。必ずしも失業保険の方が高額になるとは限りません。

傷病手当金の計算例

過去12ヶ月間の標準報酬月額の平均が30万円の場合:
300,000円 ÷ 30日 × 2/3 = 6,667円(1日あたり)

失業保険の計算例

賃金日額が8,000円・給付率60%の場合:
8,000円 × 60% = 4,800円(1日あたり)
※年齢30〜44歳の場合、基本手当日額の上限は7,635円(2023年8月現在)。正確な金額はハローワークにてご確認ください。

受給期間で比較|最大1年6ヶ月 vs 最大360日

制度 支給期間 備考
傷病手当金 支給開始から通算1年6ヶ月 途中で復職しても残りの期間を後で使える(通算制)
失業保険 90日〜360日 年齢・被保険者期間・離職理由によって変動

長期療養が必要な場合は、最大1年6ヶ月受給できる傷病手当金の方が生活保障として手厚いと言えます。

失業保険の所定給付日数(自己都合退職の例)

  • 被保険者期間10年未満:90日
  • 被保険者期間10年以上20年未満:120日
  • 被保険者期間20年以上:150日

倒産・解雇など会社都合の「特定受給資格者」は最大330日と優遇されます。

ケース別:傷病手当と失業保険、どちらを優先すべきか

  • 長期間の治療が必要で、すぐに働ける見込みがない場合
    まず傷病手当金を受給。失業保険の「受給期間延長手続き」が必須です。焦らず治療に専念し、回復後にハローワークで切り替えましょう。
  • 比較的軽度で、退職後すぐに求職活動ができそうな場合
    退職後すみやかに失業保険を申請。待機期間・給付制限を経て受給開始となります。
  • うつ病・適応障害など精神疾患が理由の場合
    身体疾患と手続きの流れは全く同じ。主治医から「就労可能」の許可が出るまで傷病手当金を受給し、その後に失業保険へ切り替えます。精神的な負担が大きい時期こそ、制度を味方につけてください。
  • 判断に迷う場合
    まず傷病手当金を受給しながら、失業保険の受給期間延長申請を行うのが最も安全な選択です。

【完全ガイド】傷病手当から失業保険への切り替えタイミングと全手順

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ステップ1:退職後すぐに失業保険の「受給期間延長」を申請する【最重要】

失業保険は原則として離職日の翌日から1年間しか受給期間がありません。病気やケガでこの1年を超えてしまうと、給付日数が残っていても1円も受け取れなくなります。

これを防ぐのが「受給期間延長」の申請です。最大3年間延長でき、合計最大4年間に受給期間を延ばすことができます。

⚠️ 申請期限と注意事項

  • 申請期限:離職日の翌日から30日を過ぎてから、なるべく早めに申請
  • 申請場所:住所を管轄するハローワーク
  • 必要書類:受給期間延長申請書/離職票-1・2/働けないことを証明する書類(診断書・傷病手当金申請書のコピー等)/本人確認書類/印鑑

ステップ2:傷病手当金を受給しながら治療に専念する

延長手続きを済ませたら、安心して療養に集中できます。退職後も傷病手当金を受け取るには以下の2つの条件を両方満たす必要があります。

  1. 退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あること
  2. 退職日に傷病手当金を受給しているか、受給できる状態(労務不能)であること

⚠️ 退職日の「最終出勤」には注意!
引き継ぎなどで退職日に無理に出勤してしまうと「労務不能」の条件を満たせず、退職後の継続給付が受けられなくなる可能性があります。

傷病手当金の申請の流れ

  1. 申請書を協会けんぽ・健保組合のWebサイトからダウンロード(または会社経由で入手)
  2. 被保険者情報・振込先口座を記入
  3. 医師に「労務不能であった期間」の意見書を依頼
  4. 在職中の期間分は会社の事業主証明を依頼(退職後分は不要)
  5. 健康保険組合・協会けんぽへ提出(通常1ヶ月単位)

審査には1ヶ月程度かかるため、計画的に進めましょう。

ステップ3:就労可能になったらハローワークで失業保険に切り替える

切り替えのタイミングは「医師が就労可能と診断したとき」。ご自身の判断ではなく、必ず医師の許可に基づいて行動してください。

ハローワークでの手続きと必要書類

  1. 受給期間延長の解除
  2. 求職の申し込みと受給資格の決定
  • 雇用保険被保険者証
  • 離職票-1・2
  • 受給期間延長通知書
  • 就労可能を証明する医師の診断書(就労許可証明書)
  • 個人番号確認書類(マイナンバーカード等)
  • 身元確認書類(運転免許証等)
  • 写真2枚(縦3.0cm×横2.5cm)
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

切り替え後の待機期間と給付制限について

受給資格決定の翌日から7日間は「待機期間」として失業保険は支給されません(全員共通)。

自己都合退職の場合は、待機期間満了後さらに原則2ヶ月間の給付制限があります(5年間で3回目以降は3ヶ月)。

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傷病手当から失業保険に切り替える際の注意点

注意①:切り替えには「就労可能」を証明する診断書が必要になる場合がある

病気やケガで受給期間を延長していた場合、ハローワークでは「もう働ける状態にある」ことを客観的に証明する書類(就労許可証明書等)の提出を求められます。事前にハローワークへ確認し、医師に依頼しておきましょう。

注意②:傷病手当金の受給終了を待つ必要はない

「1年6ヶ月の受給期間をすべて使い切らないと切り替えられない」という誤解がよくありますが、医師から就労可能の診断が出た時点で傷病手当金の支給は終了し、失業保険への切り替えが可能になります。残りの期間があっても、働ける状態になったら速やかにハローワークへ向かってください。

注意③:受給中のアルバイトは原則NG(失業保険中は条件付きでOK)

  • 傷病手当金受給中:「労務不能」が条件のため、原則アルバイト不可。収入があると支給停止になる可能性があります。
  • 失業保険受給中:ハローワークへ申告すれば一定条件でアルバイト可。ただし週20時間以上は「就職」とみなされる場合があるため、事前にハローワークに相談してください。

注意④:扶養に入れるかどうかも確認が必要

傷病手当金・失業保険はどちらも非課税所得ですが、扶養認定の基準となる「年間収入」には含まれる場合があります。1日あたりの受給額が3,612円(130万円÷360日)を超える場合、扶養に入れない可能性があります。加入している健保組合に必ず確認してください。

傷病手当・失業保険に関するよくある質問(Q&A)

Q. 傷病手当が終わったら失業保険はいつもらえる?

A. ハローワークで求職申し込みをした後、7日間の待機期間を経て支給開始です。自己都合退職の場合はさらに原則2ヶ月の給付制限があります。働ける状態になったらできるだけ早くハローワークで手続きをしてください。

Q. 傷病手当と失業保険、どちらが多い(金額が高い)ですか?

A. 個人の給与水準によって異なります。傷病手当金は標準報酬月額の約2/3、失業保険は離職前6ヶ月の賃金の約50〜80%です。高所得者では傷病手当金の方が高くなるケースもあります。両方の金額を試算してから比較するのがおすすめです。

Q. 傷病手当金 失業保険の延長手続きはどこでするの?

A. 住所を管轄するハローワークで行います。離職票-1・2と、働けないことを証明する書類(診断書等)を持参してください。延長手続きは退職直後にすることが重要で、遅れると所定給付日数の全額を受け取れなくなる可能性があります。

Q. うつ病や適応障害(精神疾患)でも手続きは同じですか?

A. 手続きの流れは身体疾患と全く同じです。主治医から就労許可が出るまで傷病手当金で療養し、許可が出たらハローワークで失業保険に切り替えます。精神的に手続きが難しい場合は、サポート業者や社労士への相談も選択肢の一つです。

Q. 傷病手当や失業保険は確定申告が必要ですか?

A. どちらも非課税所得のため、これらの給付金自体に所得税・住民税はかかりません。ただし、年の途中で退職して年末調整を受けていない場合は、給与所得など他の収入について確定申告が必要になるケースがあります。

Q. 失業保険 傷病手当 バレることはある?

A. 傷病手当金の原資は健康保険組合(協会けんぽ)であり、会社が直接支払うわけではないため、受給自体で会社に経済的な迷惑はかかりません。ただし、申請書の「事業主記入欄」は会社の担当者に記入してもらう必要があるため、退職前の申請準備は担当者に伝わります。退職後の分は不要になるケースが多いです。

まとめ:傷病手当と失業保険は正しい順番で手続きすれば最大200万円超も可能

✅ この記事のまとめ
  • 傷病手当と失業保険の同時受給(併給)はできない。
  • 長期療養が必要な場合はまず傷病手当金を受給し、治療に専念する。
  • 退職後すぐに失業保険の「受給期間延長」手続きを必ず行う。
  • 医師から就労可能の許可が出たら速やかにハローワークで失業保険へ切り替える。
  • うつ・適応障害などの精神疾患も手続きの流れは身体疾患と同じ。
  • 傷病手当金+失業保険の「リレー受給」で総額200万円超になるケースも。

手続きは複雑に感じるかもしれませんが、一つひとつ手順を踏めば決して難しいものではありません。不明な点があれば、加入している健康保険組合または管轄のハローワークに相談しましょう。

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免責事項:本記事の情報は、執筆時点の健康保険法・雇用保険法等の法令に基づいています。実際の給付可否や受給額は、個人の加入状況・標準報酬月額・離職理由・医師の診断内容等により異なります。個別の案件については、最寄りのハローワーク、全国健康保険協会(協会けんぽ)、または社会保険労務士・弁護士等の専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

柏心療内科・精神科よりそいメンタルクリニックでは、患者様に寄り添った診察を心がけております。また、医療コラムを通じて医療系に関する情報の提供をできるように努めてまいります。

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