「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」…そんな無気力な感覚に襲われ、自分を責めてしまっていませんか?これは、あなたの心と体が発している重要なSOSサインかもしれません。単なる一時的な疲れであることもあれば、うつ病などの病気が隠れている可能性も。この記事では、なぜ「何もしたくない」と感じるのか、その原因を深掘りし、自分でできる具体的な対処法から専門家へ相談する目安まで、詳しく解説します。あなたの心が少しでも軽くなるヒントが、きっと見つかるはずです。
「何もしたくない」と感じるあなたの状態は?【セルフチェック】
「何もしたくない」という感情は、誰にでも起こりうるものです。しかし、その状態が長く続いたり、日常生活に支障をきたしたりしている場合、注意が必要です。まずは、ご自身の現在の状態を客観的に見つめてみましょう。以下の項目に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
- □ 朝、ベッドから起き上がるのが非常につらい
- □ ソファやベッドで一日中横になっていることが多い
- □ お風呂に入る、歯を磨くといった日常的な行動さえ億劫に感じる
- □ 以前は好きだった趣味(音楽、映画、読書など)に全く興味が湧かない
- □ 友人や家族と会ったり、連絡を取ったりするのが面倒に感じる
- □ 何を食べても美味しいと感じない、食欲がない
- □ 「めんどくさい」が口癖になり、考えること自体が疲れる
- □ 簡単な決断(今日の夕食など)ができない
- □ 仕事や家事で、以前はしなかったようなミスが増えた
- □ テレビや本の内容が頭に入ってこない
これらの項目に複数当てはまる場合、あなたの心身は休息を必要としているサインです。無理をせず、この記事を読み進めながら、ご自身を労わる方法を探していきましょう。
ずっと寝ていたい、体を動かすのが億劫
「ただ怠けているだけだ」と自分を責めてしまうかもしれませんが、これは意志の力だけではどうにもならないことがあります。心や体のエネルギーが枯渇していると、脳は生命維持に必要な活動以外をシャットダウンしようとします。その結果、体を動かすこと自体が非常に重労働に感じられ、「寝ていたい」という欲求が強く現れるのです。これは、スマートフォンがバッテリー切れ寸前になると省エネモードになるのと似ています。まずは、この状態が「怠け」ではなく、エネルギー不足による「防御反応」だと理解することが第一歩です。
何を見ても楽しくない、興味が湧かない
これまで情熱を注いできた趣味や、楽しみにしていた友人との約束でさえ、心が動かされない。むしろ、それが「やらなければいけないこと」のように感じられ、負担になってしまう。これは「興味・関心の喪失」と呼ばれ、うつ病の代表的な症状の一つでもあります。感情を生み出す脳の機能が低下し、喜びや楽しみを感じにくくなっている状態です。心が灰色になってしまったような感覚で、世界が色褪せて見えるかもしれません。
全部めんどくさいと感じ、思考が停止する
「何をすべきか」を考えること自体が大きな負担となり、頭が働かなくなる感覚です。仕事のタスク、家事、メールの返信など、やるべきことが山積みになっているのに、何から手をつけていいか分からず、ただ時間だけが過ぎていく。これは、脳の遂行機能(計画を立てて実行する能力)が低下しているサインです。思考がまとまらず、決断力が鈍り、「どうでもいいや」と投げやりな気持ちになってしまうことも少なくありません。
集中力が続かず、仕事や家事が手につかない
注意力が散漫になり、一つのことに集中し続けるのが困難になります。例えば、会議の内容が頭に入ってこなかったり、メールを何度も読み返さないと理解できなかったり、料理の手順を間違えたりするなど、日常生活や業務に具体的な支障が出始めます。これは、脳が情報処理を行うためのエネルギーを十分に確保できていないために起こります。結果としてミスが増え、自己嫌悪に陥り、さらに無気力になるという悪循環に陥りやすい状態です。
何もしたくない5つの主な原因|一時的な疲れか病気のサインか
「何もしたくない」という無気力感は、様々な原因が複雑に絡み合って生じます。原因を特定することで、適切な対処法が見えてきます。ここでは、考えられる主な5つの原因について解説します。
身体的な疲労の蓄積(過労・睡眠不足)
最も分かりやすい原因は、身体的なエネルギーの枯渇です。
連日の残業や深夜までの仕事、育児や介護による慢性的な睡眠不足、不規則な生活リズムなどは、確実に私たちの体力を奪います。体力的な限界を超えると、脳は強制的に活動を停止させ、体を休ませようとします。これが「何もしたくない」という無気力感として現れるのです。十分な休息や睡眠を取ることで改善する場合は一時的な疲労と考えられますが、休息をとっても回復しない場合は注意が必要です。
精神的なストレス(人間関係・仕事のプレッシャー)
目に見えない精神的なストレスも、心身のエネルギーを大きく消耗させます。
職場の人間関係、過度な仕事のプレッシャー、家庭内の問題、将来への不安など、常に緊張状態にさらされていると、自律神経のバランスが乱れます。交感神経が優位になり続け、心と体は常に「戦闘モード」に。この状態が続くと、やがてエネルギーが尽き果て、燃え尽きたように無気力になってしまうのです。ストレスの原因から離れることが難しい場合、症状が慢性化しやすい傾向があります。
生活習慣の乱れ(栄養不足・運動不足)
日々の生活習慣も、私たちの気力に大きく影響します。
特に食事は重要です。インスタント食品や菓子パンばかりの偏った食事では、心の安定に関わる神経伝達物質(セロトニンなど)を作るための栄養素が不足しがちです。特にビタミンB群、鉄分、タンパク質などが不足すると、気力の低下や疲労感につながります。
また、適度な運動は気分をリフレッシュさせ、ストレスを解消する効果がありますが、運動不足が続くと血行が悪くなり、脳に必要な酸素や栄養が届きにくくなることで、無気力を引き起こす一因となります。
環境の大きな変化(引っ越し・転職・離別)
人生の転機となるような大きな環境の変化も、無気力の引き金になります。
引っ越し、転職、昇進、結婚、出産といった喜ばしい出来事であっても、新しい環境に適応するためには、私たちが思う以上に多くの精神的エネルギーを消費します。逆に、失業、離婚、死別といった喪失体験は、心に大きなダメージを与え、無気力状態に陥る直接的な原因となり得ます。こうした変化に対応しようと心身が必死に頑張った結果、エネルギーが枯渇してしまうのです。
精神疾患の可能性(うつ病・適応障害など)
上記の原因が複数重なったり、長期間続いたりすることで、精神疾患へと発展する場合があります。
「何もしたくない」という症状が2週間以上続き、日常生活に深刻な支障が出ている場合は、単なる疲れではなく、うつ病や適応障害などの病気の可能性を考える必要があります。これらは意志の力で治せるものではなく、専門的な治療を必要とする状態です。放置すると症状が悪化する可能性があるため、早期の対応が非常に重要になります。
「何もしたくない」は病気のサイン?考えられる精神疾患
無気力な状態が長く続く場合、それは心からのSOSであり、何らかの病気が隠れているサインかもしれません。自己判断は禁物ですが、知識として知っておくことで、専門家へ相談するきっかけになります。ここでは、「何もしたくない」という症状が現れる可能性のある代表的な精神疾患について解説します。
| 疾患名 | 主な特徴 | 「何もしたくない」以外の症状例 |
|---|---|---|
| うつ病 | 2週間以上、ほぼ毎日、気分の落ち込みと意欲低下が続く | 不眠/過眠、食欲不振/過食、自己否定感、疲労感、希死念慮 |
| 適応障害 | 特定のストレス原因がはっきりしており、それによって不調が起こる | 不安、怒り、焦り、涙もろさ、身体症状(頭痛、腹痛、動悸など) |
| 双極性障害 | 気分が異常に高揚する「躁状態」と、意欲が低下する「うつ状態」を繰り返す | 躁状態: 多弁、浪費、活動性の増加、睡眠欲求の低下、誇大妄想 |
| 燃え尽き症候群 | 仕事などに過度に没頭した後に、心身のエネルギーが尽き果て意欲を失う | 仕事への嫌悪感、情緒不安定、達成感の喪失、 cynicalな態度 |
うつ病|気分の落ち込みと意欲低下が2週間以上続く
うつ病は、「心の風邪」と例えられることもありますが、実際には脳のエネルギーが欠乏し、正常に機能しなくなる病気です。適切な治療が必要であり、放置すれば回復が遅れたり、社会生活に大きな影響を及ぼしたりします。
うつ病の主な症状
- 一日中気分が落ち込んでいる
- これまで楽しめていたことに興味が持てない、喜びを感じない
- 食欲がない、または食べ過ぎてしまう
- 寝つけない、夜中に何度も目が覚める、または寝過ぎてしまう
- 話し方や動きが遅くなる、またはイライラして落ち着かない
- 疲れやすく、気力がない
- 自分には価値がないと感じたり、過剰に罪悪感を抱いたりする
- 思考力や集中力が低下し、決断できない
- 「死にたい」「消えてなくなりたい」と考えることがある
当てはまる場合の対処法
上記の症状のうち5つ以上(特に最初の2つのどちらかを含む)が2週間以上続いている場合は、うつ病の可能性が考えられます。できるだけ早く、心療内科や精神科の専門医に相談してください。治療の中心は「十分な休養」と「薬物療法」、そして「精神療法(カウンセリングなど)」です。決して一人で抱え込まず、専門家の力を借りることが回復への近道です。
適応障害|特定のストレスが原因で不調が起こる
適応障害は、ある特定の状況や出来事がその人にとって非常につらく、耐えがたく感じられるために、心身に不調が現れる状態です。原因となるストレスがはっきりしているのが特徴です。
適応障害の主な症状
- 原因となるストレスについて考えると、憂うつな気分や不安感が強くなる
- 涙もろくなる、怒りっぽくなるなど感情のコントロールが難しい
- 無断欠勤、引きこもり、喧嘩など、行動面に問題が現れる
- 頭痛、腹痛、めまい、動悸など、身体的な症状が現れることもある
当てはまる場合の対処法
適応障害の治療で最も重要なのは、原因となっているストレスを特定し、そこから距離を置くことです。例えば、職場環境が原因であれば、部署異動を願い出たり、休職を検討したりすることが有効です。ストレスへの対処法を学ぶカウンセリングも効果的です。ストレスの原因から離れると症状が改善することが多いため、環境調整が可能かどうか、上司や産業医、スクールカウンセラーなどに相談してみましょう。
双極性障害(躁うつ病)|気分の波が激しい
双極性障害は、うつ病と似た「うつ状態」だけでなく、気分が異常に高揚し、活動的になる「躁状態」を繰り返す病気です。うつ状態の時に受診することが多いため、うつ病と診断されがちですが、治療法が異なるため正確な診断が重要です。
双極性障害の主な症状
【うつ状態の症状】 うつ病の症状とほぼ同じです。
【躁状態の症状】
- ほとんど眠らなくても平気で活動し続ける
- 次から次へアイデアが浮かび、異常によく喋る
- 根拠のない自信に満ち溢れ、自分が偉大な存在だと感じる
- 注意が散漫で、一つのことに集中できない
- 高額な買い物をしたり、危険な投資をしたりと、後先を考えない行動が増える
当てはまる場合の対処法
躁状態の時は、本人に病気の自覚がないことがほとんどです。そのため、周囲の人が「いつもと違う」と気づき、受診を促すことが重要になります。もしご自身で「気分の波が激しいかもしれない」と感じる場合は、気分の変動を記録しておき、受診時に医師に伝えることが診断の助けになります。治療は、気分の波を安定させるための薬物療法が中心となります。
燃え尽き症候群(バーンアウト)|意欲を使い果たした状態
燃え尽き症候群は、一つの仕事や目標に献身的に打ち込んできた人が、突然、心身のエネルギーが尽き果てたように意欲を失ってしまう状態です。特に、真面目で責任感が強く、理想が高い人がなりやすいと言われています。
燃え尽き症候群の主な症状
- 仕事に対する情熱や達成感が失われる
- 顧客や同僚に対して、思いやりのない cynical(皮肉的)な態度をとるようになる
- 慢性的な疲労感、不眠、頭痛などの身体症状
- アルコールや薬物への依存傾向
当てはまる場合の対処法
まずは、自分が燃え尽き状態にあることを認識し、意識的に休息を取ることが必要です。仕事から物理的・心理的に距離を置くために、長期休暇を取得することも有効です。また、完璧主義を手放し、一人で抱え込まずに周囲に助けを求めること、仕事以外の世界(趣味やプライベート)を大切にすることも、回復と再発防止につながります。
甲状腺機能低下症など身体の病気の可能性
「何もしたくない」という無気力感は、精神的な問題だけでなく、身体の病気が原因で起こることもあります。特に見過ごされがちなのが、甲状腺ホルモンの異常です。
身体の病気で起こる精神症状
甲状腺機能低下症は、体の新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンの分泌が減少する病気です。この病気になると、全身の代謝が低下し、無気力、強い疲労感、気分の落ち込み、集中力低下など、うつ病とよく似た症状が現れます。その他にも、貧血(特に鉄欠乏性貧血)や更年期障害、睡眠時無呼吸症候群なども、強い倦怠感や無気力の原因となることがあります。
不調を感じた際の対処法
精神的な不調とともに、「寒がりになった」「体重が増えた」「肌が乾燥する」「むくみがひどい」といった身体的な変化を感じる場合は、まず内科や婦人科を受診し、血液検査などで身体的な異常がないかを確認することが大切です。身体の病気が原因であれば、その治療を行うことで精神症状も改善していきます。
何もしたくない時に試すべき対処法・過ごし方
心と体のエネルギーが枯渇している時は、無理に何かをしようとすると逆効果です。まずは、自分をこれ以上追い詰めず、回復に専念するための環境を整えることが最優先。ここでは、今日から試せる具体的な対処法と過ごし方をご紹介します。
まずは「何もしないこと」を自分に許可し休息を最優先する
最も重要で、かつ最も難しいのがこれかもしれません。私たちは「何かをしていないとダメだ」という強迫観念に駆られがちです。しかし、エネルギーがゼロの状態でアクセルを踏み続けても、車は動きません。
「今日は何もしない日」「今は休むのが仕事」と、自分自身に許可を出してあげましょう。
罪悪感を感じる必要は全くありません。スマホの電源を切り、一日中ベッドで過ごす。それも立派なセルフケアです。まずは、消耗したエネルギーを充電することだけに集中してください。
睡眠の質を高める工夫をする
ただ長く寝るだけでなく、「質の良い睡眠」をとることが回復を早めます。睡眠中に脳は休息し、記憶や感情の整理を行います。
- 寝る1〜2時間前はスマホやPCを見ない: ブルーライトは脳を覚醒させ、眠りを妨げます。
- 朝日を浴びる: 朝日を浴びると体内時計がリセットされ、夜の自然な眠りにつながります。カーテンを少し開けて寝るだけでも効果的です。
- ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる: 体が温まり、その後の体温低下がスムーズな入眠を促します。
- カフェインやアルコールを控える: 特に就寝前の摂取は睡眠の質を大きく低下させます。
栄養バランスの取れた食事を意識する
何もしたくない時は、食事の準備すら億劫に感じるものです。無理に自炊をする必要はありません。コンビニやスーパーの総菜、カット野菜、冷凍食品などを賢く活用しましょう。
特に意識して摂りたいのは、心の安定に関わる神経伝達物質「セロトニン」の材料となる栄養素です。
- トリプトファン(必須アミノ酸): 豆腐・納豆などの大豆製品、チーズ・牛乳などの乳製品、バナナ、ナッツ類
- ビタミンB6: 鶏むね肉、マグロ、カツオ、バナナ
- 炭水化物: ごはん、パン、麺類(トリプトファンを脳へ運ぶのを助ける)
まずは、バナナヨーグルトや納豆ごはんなど、手軽に摂れるものから試してみてください。
5分だけの散歩などごく軽い運動で気分転換を図る
体を動かす気力がない時に「運動しなさい」と言われても苦痛なだけです。しかし、ごく軽い運動には、気分を改善する効果が科学的に証明されています。
目標は低く設定しましょう。「家の周りを5分だけ歩く」「ベランダに出て深呼吸する」「ラジオ体操を1つだけやる」など、これならできそう、というレベルで十分です。
太陽の光を浴びながらリズミカルな運動(ウォーキングなど)を行うと、セロトニンの分泌が促されます。少しでも気分が晴れたら、それで大成功です。
思考を整理するために感情を紙に書き出す
頭の中でぐるぐると回り続ける不安や焦り、自己嫌悪の言葉。これらを一度、紙に書き出してみる(ジャーナリング)と、驚くほど心が軽くなることがあります。
誰に見せるわけでもないので、「〜すべき」「〜が不安だ」「もう嫌だ」といったネガティブな感情も、正直に全て書き出してみましょう。
思考を「見える化」することで、自分の悩みを客観的に捉えられたり、「考えても仕方ないこと」と「今できること」を整理できたりする効果があります。
信頼できる人に話を聞いてもらう
一人で抱え込んでいると、悩みはどんどん大きくなりがちです。信頼できる家族、パートナー、友人に、ただ「今、何もしたくなくてしんどいんだ」と話すだけでも、気持ちが楽になることがあります。
アドバイスを求める必要はありません。ただ共感的に聞いてもらうだけで、孤独感が和らぎ、自分の気持ちを整理する助けになります。
もし身近に話せる相手がいない場合は、後述する公的な相談窓口やカウンセリングを利用するのも一つの大切な選択肢です。
これは危険信号!精神状態がやばいサインと受診の目安
「何もしたくない」という気持ちが、単なる疲れのレベルを超え、専門的な助けが必要な段階に入っていることを見極めるのは非常に重要です。ここでは、受診を検討すべき危険なサインと、相談先について具体的に解説します。
精神状態が危険なサイン一覧
以下のサインが複数、長期間にわたって見られる場合は、セルフケアだけでの回復は難しいかもしれません。心療内科や精神科への相談を強くお勧めします。
2週間以上、ほぼ毎日気分の落ち込みが続く
一時的な気分の落ち込みは誰にでもありますが、それが2週間以上、ほとんど毎日、一日中続く場合はうつ病の可能性があります。朝方が特に気分が重い、などの特徴が見られることもあります。
食欲が全くない、または過食が止まらない
体重の大きな変動(1ヶ月で5%以上)を伴うような食欲の変化は、心身の異常を示すサインです。何も食べたくない、味がしない、あるいは逆に、常に何かを食べていないと落ち着かない、といった状態は注意が必要です。
夜眠れない、または寝すぎる日が続く
寝つきが悪い(入眠困難)、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)といった不眠の症状。または、10時間以上寝ても眠気が取れない、日中も寝てばかりいる(過眠)といった睡眠障害は、うつ病の典型的な症状の一つです。
以前は楽しめていた趣味に興味が持てない
「興味・喜びの喪失」は、うつ病の中核的な症状です。好きだった音楽を聴いても何も感じない、友人と会うのが億劫になるなど、感情の動きが乏しくなっている状態は危険なサインです。
自分を責める気持ちが強い、「消えたい」と感じる
「自分はダメな人間だ」「全て自分のせいだ」といった過剰な罪悪感や自己否定感に苛まれる。さらに、「生きているのがつらい」「いなくなりたい」「消えてしまいたい」といった考え(希死念慮)が浮かぶ場合は、非常に危険な状態であり、緊急を要します。すぐに専門機関に相談してください。
専門家(心療内科・精神科)に相談すべきタイミング
「こんなことで病院に行っていいのだろうか」とためらう方も多いですが、以下のいずれかに当てはまる場合は、専門家への相談を検討するタイミングです。
- 日常生活に支障が出ている: 仕事を休みがち、家事が全く手につかない、人との約束をキャンセルしてしまうなど。
- セルフケアを試しても改善しない: 十分に休んだり、気分転換を試したりしても、1ヶ月以上不調が続いている。
- 原因がわからないのに不調が続く: 明確なストレスや原因がないのに、無気力な状態が続いている。
- 周囲の人から心配される: 家族や友人から「様子がおかしい」「顔色が悪い」などと指摘された。
心療内科や精神科は、心の不調を治療する専門家です。風邪をひいたら内科に行くのと同じように、心の不調を感じたら気軽に相談してください。
どこに相談すればいい?相談窓口の紹介
医療機関以外にも、電話やSNSで相談できる窓口があります。まずは話を聞いてほしい、という時に利用してみてください。
| 相談窓口名 | 電話番号/URL | 特徴 |
|---|---|---|
| こころの健康相談統一ダイヤル | 0570-064-556 | 全国の精神保健福祉センターにつながる公的な電話相談窓口。 |
| よりそいホットライン | 0120-279-338 | どんなひとの、どんな悩みにも寄り添うことを目指す24時間対応の無料電話相談。 |
| いのちの電話 | 0570-783-556 | 24時間365日、誰でも利用できる相談窓口。絶望的な気持ちになった時に。 |
| あなたのいばしょ | https://talkme.jp/ | 24時間365日、年齢や性別を問わず誰でも無料・匿名で利用できるチャット相談。 |
これらの窓口では、専門の相談員があなたの話に耳を傾けてくれます。話すことで気持ちが整理されたり、適切な専門機関を紹介してもらえたりすることもあります。
「何もしたくない」に関するよくある質問
「何もしたくない」という悩みについて、多くの方が抱く疑問にお答えします。
Q. 全てがめんどくさいと感じるのは病気ですか?
A. 「全てがめんどくさい」と感じること自体は、誰にでも起こりうる正常な反応です。疲労やストレスが溜まっているサインと言えます。ただし、その状態が数週間にわたって続き、仕事や学業、家事などの日常生活に支障をきたしている場合は、うつ病や適応障害などの病気の可能性も考えられます。一時的なものか、持続的で深刻なものかを見極めることが重要です。
Q. 心が壊れる前兆にはどのようなものがありますか?
A. 心が限界に近づいているサインは、人によって様々ですが、一般的には以下のような変化が現れることが多いです。
- 睡眠の変化: 寝つきが悪い、途中で目が覚める、寝すぎる。
- 食欲の変化: 食欲がない、食べ過ぎてしまう。
- 感情の変化: 涙もろくなる、些細なことでイライラする、不安や焦りが強い。
- 興味の喪失: 趣味や好きなことが楽しめなくなる。
- 身体の症状: 原因不明の頭痛、腹痛、めまい、動悸、倦怠感。
これらのサインに気づいたら、無理をせず休息をとることが大切です。
Q. メンタル不調で仕事を休んだ方がいいサインは?
A. 以下のサインが見られたら、休職を検討し、専門医に相談することをお勧めします。
- 朝、どうしても起き上がれず、出勤できない日が続く。
- 通勤中や職場で、理由もなく涙が出てくる。
- 以前はしなかったような簡単なミスを連発する。
- 仕事の電話に出るのが怖い、メールを開くのが苦痛。
- 会社のことを考えると、動悸や吐き気、めまいがする。
無理して働き続けると、症状が悪化し、回復までにさらに長い時間が必要になることがあります。休むことは、回復のために必要な治療の一環です。
Q. 何もしたくない日はどう過ごせばいいですか?
A. 「何もしない」ということを積極的に選択し、自分を休ませることに専念しましょう。
罪悪感を感じる必要はありません。「やらなければいけないこと」のリストは一旦忘れ、ただ横になって好きな音楽を聴いたり、ぼーっと窓の外を眺めたりするだけでも十分です。食欲があれば、何か少しでも栄養のあるものを口にし、水分補給を忘れないようにしましょう。心と体が「動きたい」と感じるまで、焦らずに充電期間と捉えてください。
まとめ:「何もしたくない」気持ちは自分を大切にするための重要なサイン
「何もしたくない」という感情は、決して怠けや甘えではありません。それは、これまであなたが一生懸命に頑張ってきた証であり、心と体が「もう限界だよ、少し休もう」と発している、自分を守るための重要なアラームです。
このサインを無視して走り続ければ、心は壊れてしまうかもしれません。だからこそ、この感情に気づいた今、まずはご自身を責めるのをやめ、ゆっくりと休息をとることを最優先してください。
一時的な疲労であれば、十分な休息とセルフケアで回復に向かうでしょう。しかし、もし無気力な状態が長く続き、日常生活に支障が出ているのであれば、ためらわずに専門家の助けを借りてください。心療内科や精神科への相談は、特別なことではありません。あなたの心と体を守り、再び自分らしい毎日を取り戻すための、賢明で勇気ある一歩です。
この記事が、あなたが自分自身を大切にし、適切な休息とケアへの一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
【免責事項】
本記事は、精神的な不調に関する情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を代替するものではありません。症状が続く場合や深刻な場合は、必ず医療機関を受診してください。希死念慮など、緊急を要する状態にある場合は、すぐに専門の相談窓口や医療機関にご連絡ください。
