睡眠導入剤と市販の睡眠改善薬の違いは?正しい理解で不眠症を解消!

睡眠導入剤は市販化されているの?

睡眠導入剤と睡眠改善薬って違うの?

不眠症かもしれないと思ったとき、手軽に入手できる市販の睡眠薬を購入する方も多いでしょう。しかし、睡眠薬は睡眠導入剤で医師の診察が必要です。

本記事では睡眠導入剤と睡眠改善薬の違いや、市販で強い睡眠改善薬のランキング付けがあるのかを解説します。また、睡眠導入剤の選び方も紹介しているので参考にしてください。

目次

睡眠導入剤(睡眠薬)と睡眠改善薬の違い

睡眠導入剤(睡眠薬)と睡眠改善薬の違い

多くの方が睡眠導入剤や睡眠改善薬のことを、ひとまとめで「睡眠薬」と呼ぶ方も多いかもしれません。しかし、睡眠薬は睡眠導入剤のことで、睡眠改善薬とは異なります。

ここではそれぞれの違いを詳しく解説しているので参考にしてください。

睡眠導入剤(睡眠薬)とは

睡眠導入剤は睡眠を誘発し、維持するための薬物です。人々が眠る際に脳の活動を調整し、自然な眠りを促す働きがあります。不眠症や睡眠障害に悩む方に処方されることが一般的です。

睡眠導入剤の構造によって以下のように分類されます。

  • バルビツール酸系
  • ベンゾジアゼピン系
  • チエノジアゼピン系
  • シクロピロロン系
  • 抗ヒスタミン薬など

過去にバルビツール酸系の薬剤が主に用いられていました。しかし、依存性の懸念から現在はベンゾジアゼピン系が主流です。

ベンゾジアゼピン系は、神経伝達物質GABA(ギャバ)の作用を強めて脳の興奮を抑制し、催眠作用を持つとされています。

また、作用時間によっても超短時間型、短時間型、中間型、長時間型の4つに分類されるのが特徴です。

睡眠導入剤における内容の違い

このように、睡眠薬といってもさまざまなタイプがあります。

睡眠導入剤がおすすめな人

  • 眠りにつくまで30分以上かかる
  • 眠れないので日中は仕事に支障をきたす
  • 車の運転で睡魔が襲ってくる
  • ストレスで眠れない

睡眠改善薬とは

睡眠改善薬は、一時的な不眠症状を緩和するための薬です。具体的には、寝つきが悪い、眠りが浅くて夜中に目が覚めてしまうといった一時的な不眠症状の改善を期待できます。

生活リズムや睡眠環境を見直しても効果がない場合に、睡眠改善薬を利用することが多いです。睡眠改善薬は不眠のループを断ち切り、より良い睡眠を得られる可能性があります。

なお、一時的な不眠とは、精神疾患等病的な原因のない人が経験する一過性の不眠のことを指します。

睡眠改善薬がおすすめな人

  • 何日かうまく寝つけない
  • 心配ごとで夜中に目が覚める
  • 時差ボケ
  • 不規則な生活で昼夜逆転

睡眠導入剤は医師の処方箋が必要になる?

上述でも軽く触れたように、睡眠導入剤を入手する場合は医師の診察を介して処方箋が必要です。睡眠改善薬は薬局で購入で切るのに、その差はどこにあるのでしょうか。

ここでは睡眠導入剤を市販や薬局で購入できない理由をご説明します。

睡眠導入剤を市販・薬局では購入できない理由

厚生労働省の「医療用医薬品と一般用医薬品の比較について」によると、医療用医薬品は以下を定義としています。

「医師若しくは歯科医師によって使用され又はこれらの者の処方せん若しくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品をいう。」

医薬品は病気を治すことを目的としているため、医師の診察が必ず必要です。睡眠導入剤を市販で購入できない理由は、睡眠導入剤が睡眠障害を治療するための薬剤だからです。

睡眠導入剤の入手方法

睡眠導入剤の入手方法は上記でも紹介したように、医師の診察による処方箋が必要です。処方箋を受け取ったら、クリニックと提携している薬局で薬剤師から睡眠薬を受け取ります。

薬剤師から再度睡眠導入剤の説明を受けて完了です。そのため、処方箋がないのに薬局に行っても睡眠導入剤をもらえません。

睡眠導入剤の強さをランキング付けできる?

睡眠導入剤にランキングはあるのか?

できるだけ強い睡眠導入剤を入手したい方も多いかもしれません。実際に強い睡眠導入剤はあるのでしょうか?

睡眠導入剤をランク付けするのは難しい

睡眠導入剤のランキングを付けるのが難しいといわれる理由は、睡眠障害の症状がそれぞれ異なるからです。そのため、いくら効果が強いからといって、その人の症状に合わなければ意味がありません。

クリニックでは患者の症状をしっかり聞いた上で判断し、的確な治療薬を提供してくれます。

睡眠効果が強いといわれている成分

睡眠薬には、脳に直接作用するタイプと睡眠に関連するホルモンに働きかけるタイプがあります。

一般的には、脳に直接働きかけるタイプの睡眠薬(ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系)のほうが効果が強いとされています。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は作用時間ごとに効果が異なるのが特徴です。

  • 超短時間型のハルシオン(トリアゾラム):睡眠導入に効果的
  • 短時間型のレンドルミン(ブロチゾラム):寝つきが悪い人・夜中に目が覚めやすい人用
  • 中間型のサイレース・ロヒプノール(フルニトラゼパム):睡眠の質を改善
  • 長時間型のドラール(クアゼパム):睡眠の質を改善

一方、メラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬など、睡眠に関連するホルモンに働きかけるタイプの睡眠薬は、効果がマイルドで、自然な睡眠に近い効果があります。

さらに、耐性ができにくいという特徴もあります。

睡眠導入剤は症状に合わせた処方が効果的

自分の症状がいまいちわからない方のために、4つの睡眠障害の種類をご紹介します。

  • 入眠障害
  • 中途覚醒
  • 早朝覚醒
  • 熟眠障害

なかなか寝つけない「入眠障害」

入眠障害とは、就寝時に寝つきが悪く、なかなか眠りに入れない状態のことです。寝床に入っても眠れず、時間が経つにつれて焦燥感やストレスが増していきます。

入眠障害は不眠症の一形態で、ストレスや不規則な生活リズム、精神的な疲労、過度の興奮などが原因となることがあります。

また、身体的な不快感や睡眠環境の悪さも入眠障害を引き起こす要因になるので注意が必要です。

途中で何度も起きる「中途覚醒」

中途覚醒は、睡眠中に眠りが浅くなり、何度も目が覚める状態を指します。

通常、睡眠は周期的に浅い睡眠(ノンレム)と深い睡眠(レム)が交互に繰り返されますが、中途覚醒が起きるとこのサイクルが中断され、ノンレム睡眠の状態が続くことです。

中途覚醒は睡眠の質を低下させ、次の日の疲労感や不快感を引き起こす原因となります。

中途覚醒の原因にはさまざまな要因がありますが、ストレス、不安、身体的な不快感、環境の変化、睡眠障害などが関与することがあります。

早い時間に目が覚めて入眠できない「早朝覚醒」

早朝覚醒とは、通常より早い時間に目が覚めてしまい、その後に再び眠りにつくことが難しい状態が毎日続くことです。

典型的な睡眠パターンとは異なり、朝早くに目が覚めてしまうため、睡眠不足となり日中の疲労感や不快感を生じます。

早朝覚醒の原因には不安、うつ病などの精神的な不調や痛みなどの身体的な不調など関連しているケースがあります。また、睡眠の質や量を改善するためには、睡眠環境や生活習慣の見直しが必要です。

十分な睡眠時間をとっているのに疲れが取れない「熟眠障害」

熟眠障害は十分な睡眠時間を確保しているにも関わらず、疲れが取れず、朝起きたときに疲労感を感じます。

熟眠障害の原因はさまざまで、ストレス、不安、過度の睡眠環境の変化、不規則な生活リズムなどが関係する場合があります。日常生活で仕事に集中できない、途中で眠くなるなど支障をきたすことも。

熟眠障害が長期間続く場合は、医師や睡眠専門家に相談し、適切な治療法やアドバイスを受けることが重要です。

新しく発売された睡眠導入剤とは

現在、ベンゾジアゼピン系が主流になっていると前述しましたが、高齢者がベンゾジアゼピン系の睡眠薬を服用することで、転倒・骨折の危険が1.6倍増加すると研究結果で発表されています。

そのため、近年はベンゾジアゼピン系ではなく、副作用の少ない睡眠導入剤としてデエビゴ、ベルソムラが主流になりつつあります。

特にデエビゴ錠は厚生労働省にも認可されている薬剤なので、安全面に対しても安心です。初めて睡眠導入剤を服用する方はデエビゴがおすすめといえるでしょう。

市販の睡眠改善薬は効果ないといわれる理由

市販の睡眠改善薬は効果ないといわれる理由

睡眠導入剤と睡眠改善薬の違いがわかったところで、睡眠改善薬が効果ないといわれている理由をご紹介します。

睡眠改善薬は風邪薬の副作用で眠気を誘っているから

市販薬の中で売れ筋の「ドリエル」「ネオデイ」「リポスミン」などに使用されている成分は、ジフェンヒドラミン塩酸塩です。

ジフェンヒドラミン塩酸塩とは、体内でヒスタミンという物質の作用を抑える抗ヒスタミン薬のことです。

ヒスタミンは、くしゃみ、鼻水、かゆみなどのアレルギー症状(花粉症)を引き起こす物質で、ジフェンヒドラミンはこれらの症状を軽減する効果が期待できます。

そのため、総合感冒薬(風邪薬)や鼻炎薬、かゆみ止めなどに含まれ、アレルギー性の鼻炎や皮膚の症状を和らげるのに使われます。

しかし、ジフェンヒドラミンは眠気をもたらす副作用があります。この眠気をもたらす作用を利用した睡眠改善薬が開発され、2003年より市販でも販売されるようになりました。

もともとジフェンヒドラミンは第2類医薬品の風邪薬として使用していた成分なので、睡眠導入薬より効果が低いことが把握できます。

不眠症には効果がないと記載されているから

実はエスエス製薬から販売されている「ドリエル」「ドリエルEX」の使用上の注意として「不眠症の診断を受けた人。」と記載されています。

ドリエルは上述したジフェンヒドラミン塩酸塩が配合されているので、他の市販薬も同じように不眠症に効果がないということになります。

そのため、本格的に不眠症を治療したい方は医療機関を受診しましょう。

睡眠導入剤を処方するクリニックの選び方

睡眠導入剤を処方するクリニックの選び方

睡眠導入剤を処方しているクリニックは多数あります。クリニックの中にはサポート体制が異なるので、それぞれ比較することが大切です。

下記で失敗しないクリニック選びを解説します。

オンライン診療があるか

病院に行きたいと思っても、「時間がない」「なんとなく行くのが恥ずかしい」という方も多いかと思います。そのようなときはオンライン診療を実施しているクリニックがおすすめです。

オンライン診療では専門医が診察を行ってくれるため、対面とほとんど変わりません。しかも待ち時間もなく、無駄な時間を過ごさなくても良いのがメリットです。

CUREA CLINICではデエビゴ錠を取り扱っているため、気になる方は問い合わせしましょう。

安い料金設定になっているか

クリニックは自費診療なので、それぞれ料金設定が異なります。そのため、同じ商品なのに金額が違うことがあります。必ず複数の料金を確認して選ぶようにしましょう。

市販の睡眠改善薬は不眠症の子供でも使用できる?

市販の睡眠改善薬は不眠症の子供でも使用できる?

子供でも睡眠障害になることがありますが、治療に市販の睡眠改善薬を利用しようと思うご両親もいるかと思います。しかし、大人で処方されるような睡眠薬を小児に使うことはできません。

ここでは小児と睡眠薬の関係に関して解説します。

15歳以上から服用可能

睡眠薬は15歳以上から処方してもらえます。15歳未満の方が睡眠導入剤を服用することで、筋弛緩作用がいびきや無呼吸を引き起こすリスクがあります。

15歳以上の子供でも医師が慎重に睡眠薬を処方するので、市販の睡眠導入剤を服用させる場合は用法用量をきちんと確認した上で様子を見ながら少しずつ試してみましょう。

病院に行くなら小児科

15歳未満は睡眠薬を服用できないため、治療するには小児科がおすすめです。小児科では専門医による概日リズム睡眠・覚醒障害の標準的な治療プログラムを受けることになります。

その他にも自律神経機能を改善する目的で低温サウナ療法もあります。

睡眠導入剤・睡眠改善薬に関するよくある質問

これから睡眠導入剤や睡眠改善薬を初めて服用する前に、皆さんが悩んでいる疑問や心配ごとをよくある質問でまとめました。

睡眠薬の依存性はない?

ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系睡眠薬などの睡眠導入剤を長期間使用すると、依存性や耐性の問題が生じる可能性があります。これらの薬物は一時的な睡眠障害の治療には有効であるものの、長期的な使用には注意が必要です。

耐性が生じると薬物の効果が減少し、その結果、より高い用量が必要になります。さらに薬物に頼って眠りを得ることが習慣化し、薬物なしでの眠りが難しくなることも。

ただし、突然薬物を中止することは、離脱症状を引き起こす恐れがあります。

不眠、不安、焦燥感、重度の場合には、てんかん発作や幻覚などの重篤な症状も発生することがあるため、睡眠薬の使用を中止する際には医師の指導のもとで段階的に減量することが重要です。

市販のドリエルは効き目がある?

ドリエルの公式サイトによると、医師による評価では82.1%の方が睡眠改善効果があると評価され、試験対象者自身も79.2%が実感したと発表しています。

ドリエルは不眠症状の改善に効果的であることを支持しており、一時的な不眠に対する対策として有用だとしています。ただし、個々の状況や体質によって効果が異なることがあるので、薬剤師とよく相談しましょう。

ドリエルは飲んでからどれくらいで効果がでる?

公式サイトに掲載されている内容によると、ドリエルを服用して30分から1時間で効果が現れるとしています。持続効果も個人差はありますが、7時間前後と記載されていました。

市販の睡眠改善薬は安全?

市販の睡眠改善薬の副作用として挙げられるのが以下のような項目です。

  • ふらつき、せん妄、認知機能障害
  • 眼圧上昇
  • 便秘、吐き気など
  • 排尿障害
  • 高血圧、不整脈、心不全など

また、以下の方が使用禁止となっています。

  • 緑内障の方
  • 前立腺肥大の方
  • 妊婦の方
  • 喘息の方は使用注意

どの薬剤に当てはまりますが、使用上の注意をきちんと確認して利用することが重要なポイントです。

日本で1番強い睡眠薬は何?

ベゲタミン錠は強力な睡眠薬として知られており、その効果の強さから「飲む拘束衣」と呼ばれることも。

1957年に発売されて以来、長年使用されてきましたが、その成分には安全性の低いバルビツール系成分であるフェノバルビタールが含まれています。

フェノバルビタールは依存性が非常に強く、薬物乱用のリスクが高いため、日本精神神経学会から薬物乱用の防止を求める要望が製薬会社に対して行われました。その結果、2016年度までに販売が中止されています。

もし通販で見かけても入手しないようにしてください。

睡眠導入剤で何時間寝れる?

睡眠薬は作用時間の長さによって大きく4つのタイプに分類されます。

  • 超短時間作用型(2〜4時間)
  • 短時間作用型(7〜10時間)
  • 中間作用型(20〜28時間)
  • 長時間作用型(36〜120時間)

これらの睡眠薬は、個々の不眠パターンや症状に応じて使い分けられます。ただし、医師の指示に従って正しく使用することが重要です。

睡眠導入剤は市販では購入できないまとめ

睡眠導入剤は医薬品の睡眠薬となり、医師の診察による処方箋が必要です。そのため薬局やドラッグストアなどの市販では購入できません。

睡眠導入剤を入手する方法は病院やクリニックなどがあります。また、市販薬を自己判断で服用すると健康リスクが高まる可能性もあるため、副作用に関しても理解しておくのが重要です。

また、睡眠障害の方は睡眠導入剤で治療することになるため、専門医に相談することも大切です。不眠症は焦らずゆっくり向き合っていくことになるため、医師のアドバイスや睡眠環境を整えるようにしましょう。

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この記事を書いた人

柏心療内科・精神科よりそいメンタルクリニックでは、患者様に寄り添った診察を心がけております。また、医療コラムを通じて医療系に関する情報の提供をできるように努めてまいります。

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